
こんにちは、ビューズです。
今回は「就職氷河期世代」に焦点を当てたテーマを取り上げます。
就職氷河期世代――1990年代後半から2000年代前半にかけて社会に出た方々の多くが、正規雇用に就けず、キャリア形成に大きな困難を抱えた世代です。
現在では40代後半から50代半ばに差しかかるこの世代、ビューズの利用者には比較的少ない層でもあります。
しかし、だからこそ、気になることがあります。
ビューズに通う同世代の方々は、かつて大企業に勤めていたり、正規雇用の経験がある方が多く、休職や離職を経ても、再びつながり直すことで定年まで「逃げ切れる」可能性があるようにも見えます。
一方で、「支援が必要なはずの人」が支援につながっていないのでは?という疑問が残るのです。
つながらない理由とは?
では、なぜ彼ら・彼女らはつながらないのでしょうか。
私たちは2つの仮説を立てています。
仮説①:精神科・心療内科にかかっていないこと
支援の多くは医療機関を起点とした「制度の流れ」に乗ることで受けられます。
しかし、氷河期世代の中には、「病院に行くほどではない」と自分を納得させてしまう方や、そもそも受診経験がないまま体調不良を抱えている方も少なくありません。
仮説②:インターネットにアクセスしていないこと
情報の取得手段が限られていると、支援制度や居場所の存在すら知らないまま、孤立してしまいます。
SNSやウェブ検索が不得意だったり、そもそもネットを使わない生活をしている方もいます。
この2つが重なると、「どこにもつながれない」状態が生まれてしまうのです。
だからこそ、“支援者”へのメッセージを
実は、ビューズのブログ読者の約7割は、支援を必要とするご本人ではなく、家族やパートナー、職場の同僚など「支援に回る立場」の方々です。
今回のブログも、まさにそのような方々に向けて届けたいと思っています。
「本人がつながれないなら、支援に回れるあなたが支援への入り口になってほしい」
それが今回のメッセージです。
支援の入り口になる「体の不調」
精神的な不調に対して壁を感じてしまう場合でも、体の不調なら受診のハードルはぐっと下がります。
実際、不眠や耳鳴り、原因不明の腹痛、更年期の症状などで内科にかかった後、検査では異常が見つからず、最終的にうつ病だったというケースもあります。
このように「体の不調」をきっかけに精神科や心療内科への受診につなげていくことは、ご本人の抵抗を減らしつつ支援にアクセスする有効な導線です。
気持ちを理由にしてもいい
もうひとつのアプローチは「誰かのために」という理由を軸にすること。
「昔の自分を取り戻したい」
「家族を安心させたい」
「迷惑をかけたくないと思っている自分がいる」
そういった思いがあれば、「今の状態を少し変えよう」とするきっかけになります。
氷河期世代の背景には、「長年続く不安」と「何度も打ち砕かれてきた期待」があります。
だからこそ、無理に前向きになるのではなく、ソフトなつながりの中で徐々に「関係性」を育むことが大切です。
支援への導線と“第3のつながり”
つながり先としておすすめなのが、
- ハローワークの専門援助窓口
- 保健センター
- 各自治体の福祉・健康・生活支援窓口
そして、私たちビューズのような「第3のコミュニティー」も存在します。
病院でもなく、職場でもなく、家でもない。
でも安心して話せる場。無理をしなくてもいい場所。
そのような“中間支援の居場所”を知っておくことが、いざというときに大きな助けになります。
つながりが人生を変える
過去は変えられません。でも、未来から振り返って、過去に意味を持たせることはできます。
「逃げ切れる人」はほんの一部かもしれません。でも、「少しでも楽になっていい」「誰かとつながってもいい」と感じられる人が増えること。それが私たちの願いです。
もし、あなたの周りに気になる人がいるなら、まずは声をかけてみてください。無理に支援につなげる必要はありません。ちょっとした会話や共有が、次のステップにつながることもあります。
つながること、それ自体が支援になる――そんな価値を、あなたと共に広げていきたいと思います。