「やらなきゃいけないこと」が頭の中にぎゅうぎゅうに詰まって、息がしづらい。
やる気がないわけじゃない。むしろ逆で、ちゃんとやろうとしている。だからこそ苦しい。
- 断れない
- 真面目に受け止めすぎる
- 自分の中だけで何とかしようとする
- 気づいたときには混乱して、体調も崩れて、自己嫌悪が襲ってくる
もし今あなたがこのあたりに心当たりがあるなら、それは“弱さ”ではなく、キャパオーバーという状態かもしれません。
この記事は、いままさに悩んでいる当事者の方へ向けて書きます。読みながら「自分のことだ」と感じたところだけ、持ち帰ってください。無理に全部やらなくて大丈夫です。
目次
キャパオーバーって、どんな状態?
キャパオーバーは、ざっくり言えばこういう状態です。
「やらなきゃ」の量が増えすぎて、頭がいっぱいになる。
でも“限界を超えている”ことに気づけない/認められないまま、
自分の中だけで解決しようとして、どんどん追い詰められる。
ここで起きやすいのが、混乱 → 行動停止 → 罪悪感 → さらに追い詰められるのループです。
ポイントは、「能力がないから止まる」のではなく、オーバーヒートして止まるということ。
そしてキャパオーバーの人ほど、こんな“考え方のクセ”を抱えやすいです。
- 「任された以上、ちゃんとやるべき」
- 「迷惑をかけちゃいけない」
- 「できないと言ったら終わり」
- 「頼るのは甘え」
こういう考え方は、あなたを支えてくれた面もあるはずです。
ただし、負荷が大きくなった瞬間に、あなた自身を追い詰める刃にもなります。
よくありそうなエピソード:大きな仕事を任されたAさんの話
Aさんは、職場で「信頼できる人」と思われていました。
頼まれたことはきっちり返す。期限も守る。雑にやらない。むしろ、丁寧すぎるくらい。
ある日、少し大きめの仕事を任されました。上司は言いました。
「これ、Aさんなら大丈夫だと思って。」
Aさんはうれしかった反面、胃のあたりが重くなりました。
でも口ではこう返します。
「わかりました。やります。」
そこから、頭の中は仕事のことで埋まりました。
寝る前も、起きた直後も、「あれはどうする?」「これが抜けてるかも」と考え続ける。
完璧に段取りを組もうとするほど、やることが増えていく。確認項目が増えていく。
家に帰っても休めません。
休むと「進んでない自分」に焦るからです。
数日後、Aさんは体調を崩します。
睡眠が浅い。食欲が落ちる。頭が回らない。
でも「ここで止まったら迷惑がかかる」と思い、さらに抱えます。
結果、ある朝、PCを開いたまま手が動かなくなりました。
締切は近いのに、何から手をつけていいかわからない。
不安と焦りで胸がいっぱいで、涙が出ます。
そして、Aさんはこう思ってしまう。
「やっぱり自分はダメだ。」
……これ、Aさんだけの話ではありません。
むしろ真面目で頑張れる人ほど、こうなりやすい。
対処の要点は2つだけ
あなたが押さえたいと言っていた要点、私はとても大事だと思います。
- 気づくために、5W1Hで整理する
- 気づいたら、人に相談する(抱え込まない)
ここからは、この2つを“実際に使える形”に落としていきます。
キャパオーバーへの対処:5W1Hで「頭の渋滞」をほどく
キャパオーバーのとき、頭の中はだいたいこうなっています。
- タスクが“かたまり”で存在している
- 優先順位がつかない
- 「全部大事」に見える
- 何をどうしたら終わるのかが見えない
だから最初に必要なのは、気合いではなく、分解です。
5W1Hミニシート(そのまま使ってOK)
紙でもスマホのメモでもいいので、今いちばん苦しい“案件”を1つだけ選んで、こう書きます。
- What(何を):やることは具体的に何?(成果物は?)
- Why(なぜ):本当に今それが必要?目的は?(誰のため?)
- When(いつまでに):締切はいつ?“仮締切”でもOK
- Where(どこで):どこでやる想定?(家?職場?移動中?)
- Who(誰と):関係者は?誰に確認が要る?誰に頼れる?
- How(どうやって):最初の一手は?(5分でできる作業は?)
ここでのコツは、**“正確さ”より“見える化”**です。
特に大事なのは How。キャパオーバーのときは「最初の一手」が消えます。
だから、Howはこう考えてください。
- 資料作成 → まずタイトルだけ書く
- 返信が必要 → まず相手に“現状連絡だけ”送る
- 相談したい → 相談メモを3行だけ作る
“5分の一手”が出ると、脳のパニックが少し下がります。
それだけで、キャパオーバーの波がほんの少し緩みます。
気づいたら、人に相談する:相談は「能力」じゃなく「手段」
キャパオーバーの怖いところは、限界を超えているのに、相談が最後まで選択肢に上がらないことです。
「迷惑をかけたくない」が強すぎて、ひとりで抱えたまま壊れます。
多くの方が今のコミュニティーでは、相談できる相手が見つけられないと感じています。学校・職場・病院・家族などとは別の第3のコミュニティーがあれば相談しやすくなるはずです。
“第三者のサポートを積極的に取り入れる”ことをお勧めします。
相談って、気持ちを吐き出すだけじゃありません。
タスクを現実サイズにする技術です。
相談のテンプレ(これだけで十分)
相談が苦手な人ほど、こういう形で持っていくとラクです。
- 今の状態:「いまキャパが超えていて、混乱してます」
- 困ってる点:「何から手をつけるかが分からないです」
- お願い:「優先順位づけを一緒にしてほしい/一部だけ手伝ってほしい」
これでOK。上手に説明しなくてもいいです。
そもそもキャパオーバー中に“上手に説明”は無理です。無理なときは、無理な文章でいいです。
「~するべき」をゆるめる(自分を責める燃料を減らす)
Viewsのプログラムは、CBGT(集団認知行動療法)では「~するべき」といった思い込みや完璧主義を客観視し、柔軟な考え方を身につけることです。
キャパオーバーを悪化させるのは、タスク量だけじゃなく、**セルフトーク(自分への言葉)**です。
- 「できない自分は価値がない」
- 「ここで止まったら終わり」
- 「迷惑をかけるくらいなら壊れたほうがマシ」
この手の言葉は、火に油です。
もし気づけたら、こう言い換える練習だけしてみてください。
- 「今はオーバーヒートしてるだけ」
- 「優先順位をつければいい」
- 「助けを借りるのも仕事のうち」
“信じる”必要はありません。
ただ、別の言葉を口に出すだけで、脳の回路は少し変わります。
マインドフルネスで「問題解決モード」をいったん切る
キャパオーバー中は、頭がずっと“問題解決モード”になっています。
考えているのに進まない。休んでいるのに休めない。
Viewsのマインドフルネス紹介には、「今、この瞬間」に気づき、判断をしないことで心の安定を図ることです。
体験レビューでも、問題解決モードから離れる話が出てきます。
難しいことはしなくていいです。たとえば1分だけ。
- 足の裏の感覚に意識を向ける
- 呼吸を数える(吸う1、吐く2…を10まで)
- お茶を飲む感覚を味わう(温度・匂い・喉の通り道)
「今ここ」に戻る練習は、キャパオーバーの“熱”を下げるのに役立ちます。
自分の“取扱説明書”をつくる(限界のサインを見逃さない)
Viewsには「自分の取扱説明書」というツールがあり、病気や特性、悪化したときの対応策をまとめ、辛いときに見返せるようにするのが目的です。
キャパオーバーの厄介さは、本人が“限界のサイン”を見落としやすいこと。
だから、元気なときに、先に書いておきます。
例:
- 悪化サイン:寝つきが悪い/食欲が落ちる/返信が怖い/頭が真っ白
- やってはいけない:徹夜で取り返す/ひとりで抱える/完璧に整えてから相談
- 効く対処:誰に連絡する/散歩10分/タスクを3つに減らす
あなたの“扱い方”を、あなたがいちばん知っていい。
それが「責めないセルフマネジメント」につながります。
「グループの力」を使う(ひとりで気づけないことがある)
Viewsが大切にしていることとして、スタッフが一方的に教えるのではなく、利用者同士の気づき合いを重視し「グループの力を最大化する」ことです。
キャパオーバーのとき、視野はものすごく狭くなります。
でも、人の視点が入ると、驚くほど整理が進むことがあります。
- 「それ、今週じゃなくていいんじゃない?」
- 「そこまで背負わなくていいよ」
- 「まず“現状連絡”だけでいいと思う」
この一言が、あなたの心身を救うことがあります。
頼るのが苦手でも、“場”の力を借りることはできます。
抱え込まないことは、あなたを守る選択
Viewsのメッセージは、「悩みを抱え込むことだけはやめてください」です。
そして、Viewsは第3のコミュニティーとして、既存の居場所とは別の“もう一つの場”を目指しています。
キャパオーバーになってしまう人は、だいたい「ちゃんとしたい人」です。
だから、いっぱいいっぱいになったときに、こう思ってしまう。
「こんなことで頼ったらダメだ」って。
でも本当は逆で、いっぱいいっぱいのときほど、外に出す必要がある。
整理して、相談して、荷物を小さくしていく。
それは甘えではなく、回復のための手順です。
(大事な注意)もし、体調が強く崩れているなら
眠れない・食べられない・出勤や外出が難しい・希死念慮が出るなど、危険サインがある場合は、ひとりで耐えずに医療機関や支援先へつながってください。
緊急性が高いと感じるときは、迷わず助けを呼んでください。
まとめ
キャパオーバーになってしまう人は、だいたい「ちゃんとしたい人」です。
だから、いっぱいいっぱいになったときに、こう思ってしまうことがあります。
「こんなことで頼ったらダメだ」と。
でも本当は逆で、いっぱいいっぱいのときほど、外に出す必要があります。
整理して、相談して、荷物を小さくしていく。
それは甘えではなく、回復のための手順です。
もし今日できることがあるなら、これだけで十分です。
- いま一番苦しい案件を1つだけ選ぶ
- How(5分の一手)だけ書く
- テンプレの3行で相談する
できたらラッキー。できない日があっても大丈夫です。
あなたの回復は、あなたのペースで進めていいです。
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