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2026/02/11

「衝動性を止められない」——それでも、あなたが悪いわけじゃない

衝動って、ほんとうに厄介です。
頭ではわかっているのに、体が先に動いてしまう。止めたいのに止まらない。終わったあとに、どっと後悔が押し寄せる。

  • 「またやってしまった」
  • 「どうして私は学ばないんだろう」
  • 「自分は意志が弱い」
  • 「普通の人なら止められるのに」

そんなふうに、自分を責める言葉が増えていくほど、次の衝動は強くなっていきます。
今回は“解決の筋道をきれいに示す”というより、まず**「それ、わかる」**を大事にして書きます。ここに書かれている全部が当てはまらなくても大丈夫。あなたの中で「これだけは…」と思える部分だけ、拾ってください。


Viewsでよく聞く「衝動性」のかたち

Viewsの利用者さんに多い衝動性として、ここでは大きく3つに分けてみます。

1)お酒(飲酒)に向かう衝動

「今日は飲まない」と決めていたのに、気づけば買っている。
一杯だけのつもりが止まらない。
飲んだ翌朝、体も心も重くなって、さらに自己嫌悪が増えていく。

お酒は、つらさを一瞬で“薄める”力を持っています。
だからこそ、つらさが濃いときほど、引っぱられやすい。

2)消費行動(衝動買い)に向かう衝動

買う瞬間だけ、心がスッとする。
「これで変われる気がする」「取り戻せる気がする」
でも届いた段ボールを見て、現実に戻って苦しくなる。

買い物は“物”を買っているようで、実は「安心」や「回復」や「穴埋め」を買っていることもあります。

3)愛着衝動(人にしがみつく/切れない/試す)

誰かとつながっていないと不安で、連絡を連投してしまう。
相手の反応が遅いだけで、心がパニックになる。
「嫌われたかも」「見捨てられるかも」が止まらない。

愛着衝動は、説明が難しいぶん、理解されづらく、いちばん孤独になりやすい衝動かもしれません。


「止められない」の奥にあるもの:衝動は“感情のアラーム”かもしれない

Viewsでは、「困っていることを自覚するためには感情に気づく必要がある」「感情はストレスに気づくためのアラーム」と考えてみてくださいと伝えています。

ここがすごく大事で、衝動を“敵”として倒そうとすると、うまくいかないことが多いです。
衝動は、あなたを壊したいわけじゃなくて、むしろ逆で、非常ベルみたいに鳴っていることがあります。非常ベルは、感情に気付いて自分を安心させる行動や、自分を守るための行動を選んで欲しい、そのことに気付いて欲しいという訴えであり、あなたを守るために作動しているのです。

ただ、ベルがうるさすぎる。
そして鳴るたびに怖くて、すぐ止めたくなる。
その「止める方法」として、お酒や買い物や誰かへの執着が選ばれてしまう——そんなイメージです。

衝動を責めるより先に、こう思ってみてください。

「いま、何かの感情が限界だって知らせてるのかも」


まずは共感:こんな“よくある話”ありませんか?(※個人が特定されない形で)

エピソードA:マンションを衝動的に買ってしまった

心がしんどい時期に、「ここを買えば人生が立て直せる気がした」。
内見で気分が上がり、担当者の言葉が背中を押し、気づけば契約へ。
契約直後に現実が戻ってきて、「なんでこんなことを…」と震えた。

衝動の最中は、“未来が良くなる映像”だけが強くなります。
現実のリスクや、疲れや、孤独は見えにくくなる。

エピソードB:本を読めないくらい大量に買ってしまう

買うときは「勉強する」「変わる」と思っている。
でも読む余裕がない。積まれていく本を見るたび、「またできなかった」と落ち込む。
落ち込むと、また買ってしまう。

このループの怖さは、「買い物」が原因というより、買ったあとに残る自己否定が次の衝動の燃料になることです。

エピソードC:お酒がやめられない

疲れ・不安・孤独・眠れなさ。
それを一時的に消してくれるのが、お酒だった。
やめたほうがいいのはわかっている。でも、やめると苦しさがそのまま出てくる。
「飲まない=苦しさに直面する」になってしまっている。

この状態で「意志で止めよう」は、とても酷です。
だからこそ、別の入口(気づき方、落ち着き方、代理行動)を増やす必要があります。


衝動への対策:解決の“一本道”じゃなく、あなたの“選択肢”を増やす

ここからは、あなたが提示してくれた2つの柱でいきます。

  1. どういう衝動があるか気づく(感情を拾って、名前をつける)
  2. 気づいたら一旦落ち着く(客観視→代理行動)

Viewsでも、感情に気づく練習として感情リストを使っています。ストレス場面と感情を結びつける練習を繰り返すことで、早めにキャッチして早めに対処することができるのです。


1)気づく:衝動の前にある“感情”を拾う

衝動は、いきなり来るようで、実はその直前に小さなサインがあります。
でもそのサインは、言葉になっていないことが多い。

だから「感情に名前をつける」。
これだけで、衝動は少し扱いやすくなります。

感情に名前をつけるって、どうやるの?

おすすめは、超シンプルに3ステップです。

(1)いま何がしたい?(衝動)

  • 飲みたい
  • 買いたい
  • 連絡したい/確認したい/試したい

(2)体の感覚は?(身体)

  • 胸がザワザワ
  • 胃が重い
  • 目が冴える
  • 手が落ち着かない
  • 何も感じない(これも大事)

(3)感情のラベルを1語だけつける(感情)

  • 不安
  • 焦り
  • 寂しさ
  • 怒り
  • 虚しさ
  • 罪悪感
  • 退屈
  • 恥ずかしさ

1語でOKです。正解じゃなくていい。
「たぶん、これ」が出れば十分。

Viewsでも「感情を自覚するのは大人でも難しい」からこそ、感情のリストを配布して練習を繰り返しています。
つまり、“難しいのが普通”です。できない日があって当たり前と考えてみてください。


2)落ち着く:衝動を「客観的に意識」して、代理行動を試す

衝動を止めるコツは、根性で押さえ込むことではなく、数十秒〜数分の“間(ま)”を作ることです。
衝動のピークは永遠に続きません。波みたいに上がって下がります。

「一旦落ち着く」ための短い方法(30秒〜3分)

  • 深呼吸を3回だけ(吸うより、吐くを長く)
  • 水を一口飲む(口の中の感覚に集中)
  • 手を洗う(温度・触感で“今”に戻る)
  • 窓を開けて外気を吸う

目的は“落ち着くこと”というより、衝動と自分の間に、ほんの少し距離を作ることです。

代理行動:衝動の行き先を「別ルート」にする

ここで言う代理行動は、「衝動をゼロにする行動」ではなく、
衝動のエネルギーを、より安全な形に逃がす行動です。

お酒衝動の代理行動(例)

  • 炭酸水/温かい飲み物に置き換える
  • 飲む前に“10分散歩”だけ挟む
  • 「飲んでいいけど、量だけ決める(缶1本まで)」※いきなりゼロが難しい人向け

消費衝動の代理行動(例)

  • カートに入れるだけ入れて、24時間寝かせる
  • 欲しいものを「メモに書く」だけで買わない
  • 3,000円以上は“誰かに一言相談してから”にする(ルール化)

愛着衝動の代理行動(例)

  • 送りたい文をメモに下書きして、送信は10分後
  • 連投したくなったら、まず「いまの感情ラベル」を書く
  • いったん“身体を落ち着かせる”(散歩、ストレッチ、入浴など)

代理行動のポイントは、「立派な行動」を選ばないこと。
あなたが実際にできる小ささがいちばん強いです。


「一人じゃない」が効くこともある:共有という回復

Viewsの体験レビューには、記録を共有する中で「一人じゃないって思える」「自分のことがよくわかる」などの実感の声が寄せられています。
衝動性の話は、特に“恥”と結びつきやすく、誰にも言えずに悪化しがちです。

だからこそ、もし可能なら、こういう形で人の力を借りてください。

  • 「止めたいけど止まらない」
  • 「衝動が出るときの感情を一緒に探してほしい」
  • 「代理行動の候補を一緒に作ってほしい」

衝動は、あなたの中だけで完結させようとすると、どんどん大きく見えます。
外に出すと、少し小さくなります。


まとめ:衝動は“敵”ではなく、感情のアラームかもしれない

衝動性は、意志の弱さではありません。
むしろ、あなたの中の感情が「限界だよ」「助けて」と鳴らしているアラームのようなものかもしれません。

最初の一歩は、正しい解決策を一気に見つけることではなくて、

  • 衝動を自覚する
  • 体の感覚を拾う
  • 感情に名前をつける
  • 数分だけ距離を取る
  • 代理行動を一つ試す

ここまでで十分です。
できない日があって当たり前です。できる日が少しずつ増えたら、それでいいです。

今日のゴールは大きくなくていいです。
衝動に気づけた、感情に名前をつけられた、数十秒だけ間を作れた。
それだけで十分です。

(大事な注意)

衝動を抑えようとするあまりに、混乱した状態が長い間続いている方は、脳が疲れ切ってしまって、感情に気付こうとしても難しいと感じられるかもしれません。

飲酒や衝動が強く、生活や健康に影響が出ているときは、自分のみで抱えないということが大事です。
医療機関や支援者につながることは回復のために必要な手順の中のひとつです。
話すのが難しいときは、「止めたいけど止められない」「何が引き金か一緒に探してほしい」だけでも十分伝わります。

Viewsでは、衝動を責めるのではなく、“その前の感情”を一緒に探す練習をしています。

ひとりで抱え込まなくても大丈夫です。

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