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就労支援(再就職/復職)

2024/03/18

ビューズ@名駅の復職支援とは?②

ビューズは生活訓練として社会復帰支援を行っており、復職・再就職のサポートも行っています。

先月にアップロードしたブログで、復職支援の実績と事例をもとに復職支援のプロセスをご紹介しました。
https://x.gd/TWf0K

ビューズでは就労継続率、つまり社会復帰後も再発を予防しながら働き続けられることをより重視しています。復職期限や会社から提示される条件に「早く応えなければ」と焦ってしまうものですが、この焦りに負けず、じっくりと再発予防のために取り組めるように支援するのがビューズの役割であり、単純に復職できたから良いという判断をしていません。

今回は、子育て中の女性の事例をご紹介します。

事例 :
30代女性。 育児休暇を経て時短勤務で働いていたが、子供の体調不良で遅刻したり休むことがあり、仕事が計画通りに進まなかった。子育てがあるので残業でカバーも出来ない中、「フルタイムで勤務している人と比べて仕事ができていない」と自分を責め、周囲に相談できずにいた。夫に対し、子育てへの協力の仰ぎ方が分からず、自宅でもバタバタと過ごし、イライラを抱えていた。そんな中、職場から負担の少ない部署への異動を打診されるも、入社してからずっと同じ部署であったため自信がなく断ってしまった。結果、気分が落ちて朝が起きられなくなり、双極性障害と診断され休職した。療養を経て復職しようとしたが、産業医から復職不可と言われ、職場の保健師の勧めでビューズの利用に至った。

ビューズでの支援経過:
ストレスと症状の連動を確認するため、まず支援員から生活と気分・体調の記録を取るように勧められた。最初は仕事と家庭のことだけが症状に影響するストレス要因だと思っていたが、天気や周囲の音で気分・体調が左右されるという特性に気づいた。天気予報を注意しながら自分のスケジュールを調整したり物音が気になる時に一旦その場所から離れたりと、対策をして行動を変えることで、生活の質が上がることを実感した。また、仕事でのストレスを抱える原因を振り返っていくと、人と比べてしまいやすい傾向に気づいた。結果、やった方が良い行動の取捨選択ができずバタバタしてしまったり、気持ちを上手く伝えるすべを持たず、周囲の協力をうまく得られないと理解した。伝え方の対策として、プログラムの中で自分の意見を伝える練習を行うだけでなく、利用者同士で自主的にロールプレイで練習する機会を作った。その上で、夫を交えた話し合いをビューズで行い、冷静に自分の意見を伝える経験ができた。

行動の取捨選択ができずバタバタしてしまいがちなことへの対策として、支援員から事実に基づいてうまくいかなかったことを整理する方法と、「やらないことを決める」という考え方を教わった。感覚ではなく、事実をもとに減らす行動を決めていった結果、徐々に必要な部分・不要な部分のすみわけができるようになった。自分なりの改善が進んだ結果、他人ではなく過去の自分と比べることができるようになり、人と比べて辛くなる時間も減ってきた。更に、ビューズで他の人の話を聞く中で、発言した人の背景を考えたり、発言以外の事実に目を向けるなど多角的に物事をとらえることができるようになってきた。

順調に改善に向かっていたが、子供の学級閉鎖や体調不良と言ったイレギュラーが重なったとき、強いイライラや不眠が生じ、ビューズ通所を休んでしまうことがあった。振り返ってみると、イレギュラーなことがあると不安感が強くなり、就労中もこの繰り返しで症状が悪化していたことに気づいた。ビューズで身体系のプログラムに参加することで緊張がゆるんだ経験があったため、自宅でもストレッチなど体を動かす時間を作るように心がけた。緊張を緩める工夫を積極的にとることで、イレギュラーなことにも事実をもとに冷静に整理して対応できるようになってきた。

取組と並行して職場への定期面談を行い、最初は支援員が同席していたが、徐々に1人でも自分の状態を報告できるようになった。復職前には、職場の上司と保健師をお招きして、ビューズで双極性障害の気分の波が生じる傾向/課題と対処法をまとめた発表を行った。発表内容を踏まえ、職場で可能な範囲のサポート体制の構築を話し合った。特に、報連相サポートとして、社内システムを活用した相談チャットを設けることで、復職への不安が減少した。家庭と仕事のストレスが完全になくなったわけではないが、本人へのサポート体制が整ったことで復職後も続けられると思えたため、復職する意思決定ができた。

卒業時のコメント:ビューズを利用してみて、記録を取りながら自分を知ることが大切だと気づいた。天気や物音が自分の体調に影響しているとは思っても見なかったし、イレギュラーなことが起きたときの不安がイライラにつながっているのも気づいていなかった。今は環境や周囲の発言に振り回されず、今の自分の気持ちと状況を捉えて冷静に考えていけるようになった。「やらないことを決める」という考え方で仕事と家事のバランスを取り、仕事でも家庭でも欲しいサポートを伝えられるようになってきた。今は、小さなことでも自分の出来たことや良かったことに目を向けられているので、気分も楽になった。

今回の事例では、復職後に勤務を続ける上で、以下の3つのポイントを押さえています。
・気分の波が生じる原因を深堀し、その1つ1つに対して効果的な対処法を見つけられたこと。
・仕事でストレスを抱える原因になっていた「人と比較してしまう」という思考の癖を、認知行動療法を通して「過去の自分と比較すればいい」という考え方に変えられたこと。
・家庭・職場の両方にサポートを得るための取り組みを通所中に実施できたこと。

最初の産業医面談で復職不可の判断され、当初はご本人も落ち込まれていました。しかし、通所を通して気分の波の原因やストレスにつながる考え方を振り返り、丁寧に実践することでようやく緩んできたプロセスを思うと、本人のためを思えばの復職不可判断であったことが分かります。定期面談や上司・保健師の発表同席など、思えば職場側は終始協力的でした。しかし、本人が自分の考えを伝えられるようにならなければ、職場も協力できません。自分の伝え方を早い段階から練習していたからこそ、職場だけでなく夫の理解も得られ、安心して復職に迎えられたのだと思います。

ビューズでは、再発を防ぎ、社会復帰後も働き続けられるような復職支援を大切にしています。
今休職して焦りを抱えている方にとって、今回のブログがヒントになれば幸いです。

今後もブログにて様々な事例をご紹介していきます。

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